社会福祉法人 恵雄会サービス付き高齢者向け住宅 ハートウィング
岐阜県の東濃地方に位置し、豊かな自然に恵まれた地域である恵那市。その静かな佇まいの街に2013年7月に開設したサービス付き高齢者向け住宅｢ハートウィング｣。同施設を運営する社会福祉法人恵雄会の理事長であり、同時に医療法人の理事長でもある井口智雄様、副理事長の井口路苑様を訪ね、お話を伺いました。
2004年に介護老人保健施設｢こころ｣を開設。介護が必要な高齢者の住まいづくり、医療と福祉の連携を目指したそうです。｢当時の恵那市には老健がなかったことから市の要請も受けて設立を決意しました｣と語る井口理事長。ご自身が心臓外科医であったことから｢こころ｣という施設名をつけたそうです。｢現在では医療と福祉の連携という言葉をよく耳にしますが、当時はその考えも希薄でした。勤務医時代に福祉施設で病気になって病院に来る患者さまがいました。そういった患者さまの中には、病気が治っても、ADLが低下したため施設に戻ることができず、行き場を失ってしまう場合もありました。そのようなケースを目にしてきたため、医療と福祉の隙間を埋めようという意識から老健を始めたという一面もあります｣と言葉を続ける井口理事長。医療と福祉の連携はまだまだ道半ばと感じているそうですが、｢どのようなADLの方でもNOと言わない施設｣を目標にさまざまな施設を運営されています。
今後増えていくと考えられる｢介護度がそれほど高くない高齢者｣。この方々の受け入れ施設が不十分だとする井口理事長。｢ハートウィング｣は、そのような方のために開設されたそうです。｢入居する時は元気でも徐々に介護が必要になる場合もあり、そうなっても住み続けられる、あるいは関連施設に移れるような自己完結型の施設を目指しています｣とお話される井口理事長。高齢者が長く生活する場所だからこそグレードの高い施設にする必要があると考えているそうです。
井口副理事長は10数年前、海外の施設を視察されました。｢海外で施設を見て回って気付いたことは、施設を選ぶのは入居者のご家族だということです。ご家族に選んでもらえるためには、ハードをしっかりしないといけないと強く感じました｣と語る井口副理事長。高いグレードの居住施設の必要性を感じ、かねてからファンであった建築家の安藤忠雄氏に会って、施設への想いを語り、設計を引き受けていただいたそうです。
｢これまで頑張ってこられた高齢者の方に気持ちよく過ごしていただける終の棲家を提供したいというのが私たちの願いです｣と語る井口副理事長。ソフト面でも｢ホテルサービス｣を念頭にし、スタッフの服装にも一定の基準を設けるなど、入居者への気づかいと同時に、スタッフが誇りを持って働ける場所となるよう努力されていることがうかがわれました。
オージーウエルネスの介護浴槽ジュスト（HK-255）を導入された理由は、入居者の介護度が高くなっても住み続けられるためというのが第一だそうです。また、導入前にはオージーウエルネス本社ショールームまで足をお運びいただき、いくつかの介護浴槽をご覧いただいた上で、導入を決めていただきました。
ジュストの使い勝手や入浴介助の様子については、入浴介助を行っているスタッフの桑田様と渡辺様にお話を伺いました。｢寝たきりの方にとって入浴は限られた活動の場であり、部屋から出る少ない機会のうちのひとつなので、とても大切な時間です｣と語るお二人。｢裸身になることで体調が変わることもあり、危険も伴うことなので、人の目で見て安全を確保するのも大事ですが、オージーウエルネスの介護浴槽のように安全に配慮した多くの機能があることも大切だと感じる｣というお話もいただきました。
しっかりしたハード面と細かい気づかいのあるソフト面の充実によって、快適な｢終の棲家｣を提供することが｢ハートウィング｣様の強い想いであることが伝わってきました。
