西大和リハビリテーション病院様 導入事例
奈良盆地の西部、おだやかな丘陵地帯を活かした田園風景が広がる奈良県上牧町に2004年1月に開設された「西大和リハビリテーション病院」。奈良県では最初の本格的なリハビリテーション専門病院で、回復期から維持期の病院として運営されています。近隣の急性期病院や同じ医療法人が運営する2つの急性期病院から来られる患者さまがほとんどだという同病院。リハビリテーション部の副技師長であり理学療法士の生野公貴先生にお話を伺いました。
同病院のリハビリテーション部のスタッフは理学療法士24名、作業療法士17名、言語聴覚士7名、事務1名。このスタッフで回復期病棟99床、療養病棟100床の患者さまのリハビリを日々行っています。「私たちリハビリテーション部は臨床、教育、研究を3つの柱に活動しているのが特長です」と語る生野先生。新人にも的確に教育できる体制づくりや常に新しい治験を研究し、日々の臨床に活かすという活動も行っているそうです。
回復期病棟の患者さまは5~6割が脳血管疾患で、75歳ぐらいの方が中心とのことです。「一般的に急性期病院で1~2ヵ月入院し、病状が安定した所で私たちの病院に転院し回復期のリハビリを行います」と、患者さまの治療の流れについて生野先生からの説明をいただきました。同病院の特長は「患者さまを中心としたニーズに沿ったチーム医療をおこなうことです。不安を持つご家族のサポートとして月に1回の家族講習会のほか、訪問指導も行っています」とお話いただきました。屋外を歩く、買い物に行く、日々の生活を楽しんでいただくという所まで患者さまをフォローするのが大きな方針だそうです。
ペグボードとアイビスを用いた治療中の様子
「機能障害の改善には医学的な限界がありますが、患者さまやご家族と最良のカタチを探しています」と語る生野先生。より良い治療法を求めて電気刺激療法を研究する中、オージーウエルネスのアイビスを紹介されたそうです。 「最初はデモ機をお借りして、臨床で使ってみました。手応えを感じたので、本格的に導入することにしました。アイビスは他にはない最近の脳科学に立脚した治療器だと思います」とお話しいただきました。現在同病院には3台のアイビスがあり、理学療法、作業療法、通所リハビリテーションでそれぞれ利用いただいています。理学療法では1日5~6人の方がアイビスを利用しています。1回の使用時間は40分ほどとのこと。毎日利用される方もいらっしゃるそうです。
生野先生はアイビスのハード面の利点につ いて、次のように考えているそうです。「まず、運動と同期させることができるので、電気刺激により筋が収縮して手足が動くこと。患者さんもモチベーションが上がるようで、すごく積極的にリハビリに取り組んでくれます。
また、セラピストの自由度が高いというのもメリットのひとつです。患者さまごとの状態やリハビリテーションメニューに応じて、さまざまな臨床応用が考えられます。利用法はまだまだたくさんあると思います」。アイビス利用のソフト面については、「電気刺激療法は、まずセラピスト自身が電気刺激自体のメリット、デメリットを理解することが大切ですし、患者さまに応じたテクニックも必要です。しかし、アイビスによる治療は徒手のテクニックよりも簡単ですし、セラピストによって差が出るということは少ない、言い換えれば、再現性が高い治療ができるということです」とお話いただきました。
「電気刺激療法は近年注目を集めていると実感しています。日本ではあまり研究が進んでいない部分がありましたが、確実に臨床報告が増えてきています。まだ明らかになっていない治療メカニズムの研究も進めばさらに効果的な治療法になっていくでしょう」と電気刺激療法の展望も語っていただきました。維持期の患者さまでも効果がある場合もあるそうで、あきらめていた方もリハビリテーションに参加できるというお話しでした。
生野先生の熱意あるお話は、電気刺激療法、アイビスのこれからの広がりに期待を感じるものでした。
アイビスをさまざまな臨床応用に活用
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・懸垂桿 GH-299 ・肋木運動器 GH-290 ・肋木(マルチフレーム専用) GH-292
・プッシュアップ台金属製 GH-381 ・足関節矯正起立足板 GH-400 ・マルチフレーム GH-692
・浴室ユニット UC-330 ・重垂バンド用ワゴン GH-860
※この他入浴機器なども導入されています。
・理学療法、作業療法、通所リハビリテーションでそれぞれアイビスを利用している。
・アイビスによる電気刺激療法は再現性が高い。
・アイビスによる電気刺激療法は応用範囲が広い。
お話を伺った方
取材日:2014年1月16日